Sweet break Ⅳ
片想いの頃からずっと見ていた社内での関君は、誰もが知ってるクールな関君。

でも今、私が知りたいのは、会社では見ることのない彼の姿。

それは、特別な相手にしか見せること無い、素のままの関君。

『この関係を考え直すんじゃなかったのか?』
『え~っと、それは…』
『フッ…冗談だ。前にも言ったが、俺の方は、今更ただの同僚に戻る気はない』

真っすぐな視線でそう淀みなく断言されると、まるで初めて告白された時のように、ドキリと胸が高鳴る。

『プライベートで会う時間を増やすことは、俺も同意見だ。第一こっちはそのつもりで週末も空けておけと言ったんだが』
『あ…』
『全力で拒否られたけどな』
『だ、だって、あれは関君が…』
『ククッ…お前子供か。いちいち真に受けるなよ』

関君は自販機にもたれたまま、呆れたように笑う。

私も関君も、ある種の緊張が解かれたのか、いつもの二人に戻っていくようだった。
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