揺れる想い〜その愛は、ホンモノですか?〜
そのあと、2人は少し、食べ物やビールを口に運んでいたが
「で、今度はこっちが聞かせてもらう番だ。」
と飯田が再び口火を切った。
「本当のところ、今、お前と鈴ちゃんはどうなってるんだ?」
「お前から遠回しの警告をもらった時、一瞬不審を感じたのは事実だが、そのあともあいつの様子に別段変わりがなかったから、すっかり忘れていた。だが、どうやら2回目にあいつらが会ったのを、たまたま俺の友達が目撃して、問い詰めたら、認めた。相手への思いを否定しないから、追い出して、そのまま別居中だ。」
「その時、鈴ちゃんは何って言ったんだ。」
「『これからも俺と一緒に居たい』とか言ってたが、LINEで友達に恋愛相談しながら、そんなこと言われたって信用出来るかよ。あいつ、男の会社に誘われてるんだぜ。」
「えっ?」
「今回、あいつが辞表出したのは、それを受け入れるってことだ。これにヘッドハンティングの意味が全くないとは言わないが、しかしその裏にどんな意図があるか、あいつだって、当然わかってるはずだ。」
「・・・。」
「今回の出張だって、そうだろう。あの出張は、明らかに相手の男が、鈴を連れ出すために、設定したものだ。取引に値する商品かどうか、食べてみなきゃわからんっていうのは、その通りだが、それなら商品を取り寄せるか、逆に相手の企業が商品持って、こっちに営業に来るのが普通だろう。あの出張は、最初から鈴と相手の男が、2人で行く事ありきだったんだよ。男が何を狙って、それを提案したか、鈴も会社もわかってる。わかってて、それを飲んだんだ。出張に行った日、夕方の6時には鈴からLINEが入ってた。『今、会社に戻りました』って。何もありませんでしたっていうアピ-ルのつもりだったのかもしれんが、その気になれば、時間なんかいくらでも作れただろ。」
「ちょっと待て。お前、会社が、鈴ちゃんに枕営業させようとしたとでも言いたいのか?」
色をなす飯田に
「今どき、そんな露骨な指示は出さないだろうけど、そうなっても仕方ないと黙認したというか、暗黙の了解って奴だろ。違うか?大切な取引先の御曹司様が、うちの女子社員をご所望だから、あくまで最終的には自己責任ということで送り出した。違うか!」
達也はそう言うと、飯田を睨み付けた。
「神野、お前、自分の奥さんと会社をそんな風に思ってたのか・・・?」
ショックを隠せないと言った表情で、そう聞いた飯田に
「お前だって、薄々それがわかってたから、今まで俺に黙ってたんだろう。今更、綺麗事言ってんじゃねぇよ。」
達也はそう吐き捨てた。
「で、今度はこっちが聞かせてもらう番だ。」
と飯田が再び口火を切った。
「本当のところ、今、お前と鈴ちゃんはどうなってるんだ?」
「お前から遠回しの警告をもらった時、一瞬不審を感じたのは事実だが、そのあともあいつの様子に別段変わりがなかったから、すっかり忘れていた。だが、どうやら2回目にあいつらが会ったのを、たまたま俺の友達が目撃して、問い詰めたら、認めた。相手への思いを否定しないから、追い出して、そのまま別居中だ。」
「その時、鈴ちゃんは何って言ったんだ。」
「『これからも俺と一緒に居たい』とか言ってたが、LINEで友達に恋愛相談しながら、そんなこと言われたって信用出来るかよ。あいつ、男の会社に誘われてるんだぜ。」
「えっ?」
「今回、あいつが辞表出したのは、それを受け入れるってことだ。これにヘッドハンティングの意味が全くないとは言わないが、しかしその裏にどんな意図があるか、あいつだって、当然わかってるはずだ。」
「・・・。」
「今回の出張だって、そうだろう。あの出張は、明らかに相手の男が、鈴を連れ出すために、設定したものだ。取引に値する商品かどうか、食べてみなきゃわからんっていうのは、その通りだが、それなら商品を取り寄せるか、逆に相手の企業が商品持って、こっちに営業に来るのが普通だろう。あの出張は、最初から鈴と相手の男が、2人で行く事ありきだったんだよ。男が何を狙って、それを提案したか、鈴も会社もわかってる。わかってて、それを飲んだんだ。出張に行った日、夕方の6時には鈴からLINEが入ってた。『今、会社に戻りました』って。何もありませんでしたっていうアピ-ルのつもりだったのかもしれんが、その気になれば、時間なんかいくらでも作れただろ。」
「ちょっと待て。お前、会社が、鈴ちゃんに枕営業させようとしたとでも言いたいのか?」
色をなす飯田に
「今どき、そんな露骨な指示は出さないだろうけど、そうなっても仕方ないと黙認したというか、暗黙の了解って奴だろ。違うか?大切な取引先の御曹司様が、うちの女子社員をご所望だから、あくまで最終的には自己責任ということで送り出した。違うか!」
達也はそう言うと、飯田を睨み付けた。
「神野、お前、自分の奥さんと会社をそんな風に思ってたのか・・・?」
ショックを隠せないと言った表情で、そう聞いた飯田に
「お前だって、薄々それがわかってたから、今まで俺に黙ってたんだろう。今更、綺麗事言ってんじゃねぇよ。」
達也はそう吐き捨てた。