揺れる想い〜その愛は、ホンモノですか?〜
鈴が、今の高校に進学を決めたのは、子供の頃、よく面倒を見てもらった近所のお姉さんの影響だった。
6歳年上のその人の、制服姿に憧れ、私もお姉さんと同じ高校に入りたい。そう思ったからだ。鈴が高校に入る頃には、その人は、大学進学の為に実家を離れていたが、後輩になったことを報告すると、喜んでくれた。
こうして、胸弾ませて、高校生活をスタートさせた鈴は、怜奈を初めとした友人にも恵まれ、賑やかで、楽しい日々を過ごして来たが、1年が過ぎ、2年生になる頃には、物足りなさを覚えるようになっていた。
「彼氏、欲しいよね。」
ある日、ポツリとそう言ったら
「えっ、鈴でも、そんなふうに思うの?」
と怜奈に驚かれた。
「鈴でもって、ひどくない?」
「だって、鈴からその手の話題、聞いたことないし、みんなが話してても、あんまり乗って来なかったじゃん。」
「うん・・・まぁ、ね。」
正直、その手の話題を口にするのが、気恥ずかしかった。それが本音だった。
ちなみに、鈴にボーイフレンドと言えるような存在は、今までいなかった。積極的に異性に接触するタイプではないし、告白するとかされるとか、なんてことにも、無縁で来た。
そして迎えた高校生活。女子高に入ったのだから、当たり前なのだが、そこに男子の姿はなかった。
保育園から中学に至るまで、当たり前のように、クラスには、学校には女子がいて、そして男子がいた。しかし、それが当たり前じゃない環境に置かれて、鈴の中に、徐々に違和感が蓄積されるようになっていた。
異性の存在、異性の視線が感じられないことに不満を感じるようになった鈴は、大人への階段を何歩か上ったということなのだろう。
「でも、このままじゃ、彼氏なんて絶対に出来ないよね。だって、出会いがないんだから。」
「うん・・・。」
当たり前の結論に達して、2人の会話は続かない。
出会いがない以上、道は2つしかない。出会いを求めて、積極的に打って出るか、諦めるか。
そして残念ながら、鈴も怜奈も、どう見ても積極派ではなかった。
6歳年上のその人の、制服姿に憧れ、私もお姉さんと同じ高校に入りたい。そう思ったからだ。鈴が高校に入る頃には、その人は、大学進学の為に実家を離れていたが、後輩になったことを報告すると、喜んでくれた。
こうして、胸弾ませて、高校生活をスタートさせた鈴は、怜奈を初めとした友人にも恵まれ、賑やかで、楽しい日々を過ごして来たが、1年が過ぎ、2年生になる頃には、物足りなさを覚えるようになっていた。
「彼氏、欲しいよね。」
ある日、ポツリとそう言ったら
「えっ、鈴でも、そんなふうに思うの?」
と怜奈に驚かれた。
「鈴でもって、ひどくない?」
「だって、鈴からその手の話題、聞いたことないし、みんなが話してても、あんまり乗って来なかったじゃん。」
「うん・・・まぁ、ね。」
正直、その手の話題を口にするのが、気恥ずかしかった。それが本音だった。
ちなみに、鈴にボーイフレンドと言えるような存在は、今までいなかった。積極的に異性に接触するタイプではないし、告白するとかされるとか、なんてことにも、無縁で来た。
そして迎えた高校生活。女子高に入ったのだから、当たり前なのだが、そこに男子の姿はなかった。
保育園から中学に至るまで、当たり前のように、クラスには、学校には女子がいて、そして男子がいた。しかし、それが当たり前じゃない環境に置かれて、鈴の中に、徐々に違和感が蓄積されるようになっていた。
異性の存在、異性の視線が感じられないことに不満を感じるようになった鈴は、大人への階段を何歩か上ったということなのだろう。
「でも、このままじゃ、彼氏なんて絶対に出来ないよね。だって、出会いがないんだから。」
「うん・・・。」
当たり前の結論に達して、2人の会話は続かない。
出会いがない以上、道は2つしかない。出会いを求めて、積極的に打って出るか、諦めるか。
そして残念ながら、鈴も怜奈も、どう見ても積極派ではなかった。