揺れる想い〜その愛は、ホンモノですか?〜
「かくして俺は、鈴に美化されるだけ、美化され、『運命の理想の人』になってるってわけ。」
「なんだよ。やっぱり自慢じゃねぇか。」
と呆れ顔の雅紀に
「どこが自慢なんだよ。」
と怒る達也。
「いいか。今はあばたもえくぼ、恋は盲目で、鈴には現実の俺が見えてないんだ。だけど、彼女だって、バカじゃない。付き合って行くうちに、本当の俺を理解するようになる。そしたら・・・彼女はきっと、自分の勘違いに気付き、後悔するようになる。そこから先は、きっと悲劇しか待ってねぇぜ。」
そう言って、またしてもため息をつく達也に、いよいよ呆れた雅紀は
「お前、なんでそんな悲観的なんだ?」
と語気を強めた。
「お前、自分があれから、何度『鈴ちゃん、鈴ちゃん』って言ってたか、忘れちまったのかよ。その子がまた、自分の前に現れただけじゃなく、お前にぞっこんなんだぞ。喜ぶことこそあれ、嘆いたり、不安になる必要がどこにあるんだよ?」
「あんな美人で素敵な子が、いきなり、この齢になるまで、女とまともに付き合ったこともない俺の彼女になったんだぞ。そんな状況で、自信持ったり、自惚れられる方が不思議だろう。」
そう反論して来る達也に、今度は雅紀の方がため息をつく。
「じゃ、鈴ちゃんに言ったらどうだ?『君は俺を買い被っている。将来、絶対に君をガッカリさせるから、別れようって。』」
「いや、それは・・・。」
そう決めつけられて、言葉を失う達也。
「だろ?だったらウジウジ言ってんじゃねぇよ。これから鈴ちゃんにコクれとか惚れさせろって話じゃねぇぞ。向こうがお前に惚れてんだろう。だったら、勘違いでも何でもしてるうちに、サッサと押し切っちまえばいいじゃねぇか。知っての通り、俺もお前に負けず劣らずのヘタれだけど、今のお前が何を悩んでるのか、何に不安を感じてるのか、全く理解出来ないんだけど。」
「・・・。」
「しっかりしろよ。幸せの渦中にある奴は、自分の幸せが見えなくなるって聞くけど、本当だな。さ、飲め飲め。」
そう言って、雅紀に背中をパーンと叩かれて、達也はむせながら、必死にコップを抑えていた。
「なんだよ。やっぱり自慢じゃねぇか。」
と呆れ顔の雅紀に
「どこが自慢なんだよ。」
と怒る達也。
「いいか。今はあばたもえくぼ、恋は盲目で、鈴には現実の俺が見えてないんだ。だけど、彼女だって、バカじゃない。付き合って行くうちに、本当の俺を理解するようになる。そしたら・・・彼女はきっと、自分の勘違いに気付き、後悔するようになる。そこから先は、きっと悲劇しか待ってねぇぜ。」
そう言って、またしてもため息をつく達也に、いよいよ呆れた雅紀は
「お前、なんでそんな悲観的なんだ?」
と語気を強めた。
「お前、自分があれから、何度『鈴ちゃん、鈴ちゃん』って言ってたか、忘れちまったのかよ。その子がまた、自分の前に現れただけじゃなく、お前にぞっこんなんだぞ。喜ぶことこそあれ、嘆いたり、不安になる必要がどこにあるんだよ?」
「あんな美人で素敵な子が、いきなり、この齢になるまで、女とまともに付き合ったこともない俺の彼女になったんだぞ。そんな状況で、自信持ったり、自惚れられる方が不思議だろう。」
そう反論して来る達也に、今度は雅紀の方がため息をつく。
「じゃ、鈴ちゃんに言ったらどうだ?『君は俺を買い被っている。将来、絶対に君をガッカリさせるから、別れようって。』」
「いや、それは・・・。」
そう決めつけられて、言葉を失う達也。
「だろ?だったらウジウジ言ってんじゃねぇよ。これから鈴ちゃんにコクれとか惚れさせろって話じゃねぇぞ。向こうがお前に惚れてんだろう。だったら、勘違いでも何でもしてるうちに、サッサと押し切っちまえばいいじゃねぇか。知っての通り、俺もお前に負けず劣らずのヘタれだけど、今のお前が何を悩んでるのか、何に不安を感じてるのか、全く理解出来ないんだけど。」
「・・・。」
「しっかりしろよ。幸せの渦中にある奴は、自分の幸せが見えなくなるって聞くけど、本当だな。さ、飲め飲め。」
そう言って、雅紀に背中をパーンと叩かれて、達也はむせながら、必死にコップを抑えていた。