眠れない夜をかぞえて
「ワンピースでいいか」
窓を開けて、外の気温を確かめると、息苦しいほどの暑さだった。
楽できちんと見える服がいい。それにはワンピースが一番だ。背中の中ほどまである髪は軽くアイロンでカールをして、まとめる。
仕度をするだけで、汗が出てくる暑さだ。
「瑞穂と渉に会うだけだし、こんな仕上がりでいいでしょ」
哲也との出会いは、大学の入学の時だ。
それからすぐに付き合い始めたけど、女子の「かわいくみせたい」と言う、乙女心を分からない哲也だったけど、私はいつも綺麗に念入りに身支度をしていた。
同じ服を着ていても、毎日違う服を着ていても気が付かない男だったけど、私の顔色や体調の変化にはとても気が付く人だった。
少しでも咳をしようものなら、出かけるのをやめてしまうこともあった。心配性で、私に対して尋常じゃない心配をしていた。
「哲也、いってきます」
写真に言うと、この狭いマンションで一人にさせるのかと、いつも思わないことを思ってしまった。
なるべく日陰を歩きたい。待ち合わせは銀座だから、地下鉄を経由すれば、地上に出ることもない。本当に夏は嫌いだ。
休日の銀座は、人が多い。この暑さでよく外に出るなと、感心してしまう。
今話題の商業ビルも巡り、何かいい服はないかとぶらぶらする。
最近、服を買っていないなと思いながらも、商品を手に取るところまでには至らない。
ディスプレイされた服はステキで、つい足を止めてしまうけど、手に取ることもない。
それでも、品数を増やさないと、いつも同じ服を着て仕事に行っていては、なんだかつまらない。
「バーゲンだし、思い切って買ってしまおう」
何店舗も回るほどの体力はない。気になった店に入って、何点か買い求めた。
しぶしぶの買い物だったけど、選んで試着してみれば、意外と楽しい。つい、買いすぎてしまった。
喉も乾いてカフェに入る。カフェを選ぶのも一苦労だ。
どこも入店待ちをしているからだ。喉が渇いているのに、店内に入るまでに並んでいては、熱中症になりかねない。歩くのに疲れていたが、カフェ巡りをして、空いている店を探した。
窓を開けて、外の気温を確かめると、息苦しいほどの暑さだった。
楽できちんと見える服がいい。それにはワンピースが一番だ。背中の中ほどまである髪は軽くアイロンでカールをして、まとめる。
仕度をするだけで、汗が出てくる暑さだ。
「瑞穂と渉に会うだけだし、こんな仕上がりでいいでしょ」
哲也との出会いは、大学の入学の時だ。
それからすぐに付き合い始めたけど、女子の「かわいくみせたい」と言う、乙女心を分からない哲也だったけど、私はいつも綺麗に念入りに身支度をしていた。
同じ服を着ていても、毎日違う服を着ていても気が付かない男だったけど、私の顔色や体調の変化にはとても気が付く人だった。
少しでも咳をしようものなら、出かけるのをやめてしまうこともあった。心配性で、私に対して尋常じゃない心配をしていた。
「哲也、いってきます」
写真に言うと、この狭いマンションで一人にさせるのかと、いつも思わないことを思ってしまった。
なるべく日陰を歩きたい。待ち合わせは銀座だから、地下鉄を経由すれば、地上に出ることもない。本当に夏は嫌いだ。
休日の銀座は、人が多い。この暑さでよく外に出るなと、感心してしまう。
今話題の商業ビルも巡り、何かいい服はないかとぶらぶらする。
最近、服を買っていないなと思いながらも、商品を手に取るところまでには至らない。
ディスプレイされた服はステキで、つい足を止めてしまうけど、手に取ることもない。
それでも、品数を増やさないと、いつも同じ服を着て仕事に行っていては、なんだかつまらない。
「バーゲンだし、思い切って買ってしまおう」
何店舗も回るほどの体力はない。気になった店に入って、何点か買い求めた。
しぶしぶの買い物だったけど、選んで試着してみれば、意外と楽しい。つい、買いすぎてしまった。
喉も乾いてカフェに入る。カフェを選ぶのも一苦労だ。
どこも入店待ちをしているからだ。喉が渇いているのに、店内に入るまでに並んでいては、熱中症になりかねない。歩くのに疲れていたが、カフェ巡りをして、空いている店を探した。