私の彼は上司で10歳年上で転勤が決まりました【完】
その後も、誓くんは、仕事とプライベートをきっちり分けた。
仕事で甘えることは、絶対に許さなかった。
そのため、会社では、誰にも言うことなく、今まで通りの上司と部下であることを続けた。
それが、例え、2人きりでの外出でも、私が「誓くん」と呼ぶと叱られた。
けれど、その分、プライベートでは、今まで2度も振られたのが信じられないくらい、甘やかしてくれる。
毎日のように、「七星、愛してる」「七星、好きだよ」と言ってくれて、「かわいい」と抱きしめてくれる。
「本当は、七瀬が配属された時から、かわいい子が来たと思って、困ってたんだ」
誓くんは、付き合い始めてすぐに、そう教えてくれた。
「なんで困るの?」
私がそう尋ねると、
「上司が部下を好きになっても、言えないだろ? 上司が『付き合ってください』って言ったら、立場を使って交際を強要したセクハラって言われるからな。社内コンプライアンス違反だ」
と、照れたように頭をかく。
「でも、私から告白したんだから、セクハラには当たらないでしょ? なんで?」
なんで、私は、2回も振られなきゃいけなかったの?
「そんなの、他の社員、1人1人に説明するわけにもいかないし、何より、こんなに好きなのに、七星に言われたから、仕方なく付き合ってるなんて、思われなくないしな」
誓くん……
私は、嬉しくて誓くんに抱きついた。
大好きな人にこんなに思ってもらえるなんて、私は、きっと世界一幸せに違いない。
私たちは、そうやって半年ほど付き合ってきた。
これ以上ないくらい、幸せだと思ってた。
だけど……
先月、誓くんに、突然、内示が出た。
『営業5課 堂前 誓一朗係長を名古屋支店営業1課 課長に任命する』
なんで!?
仕事で甘えることは、絶対に許さなかった。
そのため、会社では、誰にも言うことなく、今まで通りの上司と部下であることを続けた。
それが、例え、2人きりでの外出でも、私が「誓くん」と呼ぶと叱られた。
けれど、その分、プライベートでは、今まで2度も振られたのが信じられないくらい、甘やかしてくれる。
毎日のように、「七星、愛してる」「七星、好きだよ」と言ってくれて、「かわいい」と抱きしめてくれる。
「本当は、七瀬が配属された時から、かわいい子が来たと思って、困ってたんだ」
誓くんは、付き合い始めてすぐに、そう教えてくれた。
「なんで困るの?」
私がそう尋ねると、
「上司が部下を好きになっても、言えないだろ? 上司が『付き合ってください』って言ったら、立場を使って交際を強要したセクハラって言われるからな。社内コンプライアンス違反だ」
と、照れたように頭をかく。
「でも、私から告白したんだから、セクハラには当たらないでしょ? なんで?」
なんで、私は、2回も振られなきゃいけなかったの?
「そんなの、他の社員、1人1人に説明するわけにもいかないし、何より、こんなに好きなのに、七星に言われたから、仕方なく付き合ってるなんて、思われなくないしな」
誓くん……
私は、嬉しくて誓くんに抱きついた。
大好きな人にこんなに思ってもらえるなんて、私は、きっと世界一幸せに違いない。
私たちは、そうやって半年ほど付き合ってきた。
これ以上ないくらい、幸せだと思ってた。
だけど……
先月、誓くんに、突然、内示が出た。
『営業5課 堂前 誓一朗係長を名古屋支店営業1課 課長に任命する』
なんで!?