君に、この花言葉を
「れ、廉!飛行機にそろそろ乗らないと……」

「わかってる。でも最後にこうさせて」

ふわりと廉に抱き締められ、何度もキスをされる。まるで離れてしまう分だと言いたげなそのキスは、普段していたキスよりも甘くて濃厚で、溶けていきそうなほど。そして、あたしの目から自然と涙があふれていた。寂しさを堪える気持ちが、廉の温もりのせいで溶けちゃったんだ。

「やっぱり。ずっと無理して笑ってくれてたんだろ?」

廉が優しく涙を拭い、あたしは「ご、ごめん!」と慌てて言う。でも涙は全然止まってくれない。何で?

「無理して笑うなよ。俺は、お前が寂しがってくれてることが嬉しい。俺だって離れるのが嫌なんだ」

「れ、廉に迷惑かなって思って、笑うことにしたんだ。でも、寂しい!!」

あたしがそう言ってあふれ出る涙を拭っていると、廉があたしの背後に回った。そして首に何か冷たいものが触れる。

「これって……」

あたしの首につけられたのは、ひまわりをモチーフにしたネックレスだった。
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