俺様アイドルが私の家に居座っている。

「お、おい、本当にこんなところでいいのか」
「いや、こんなところって言い方はここに失礼でしょ」


授業帰り、詩壇くんを連れて激安レストランに入店。
だべっている大学生やテスト前と思しき高校生でそこそこに繁盛している。

詩壇くんはその様子を怪訝そうに眺めていた。


「……なあ。どうしてこんな騒がしい場所で勉強するんだ？ 捗るわけないだろう」


無理もない。私もそう思ってしまうタチだし。


「ファミレスでのテスト勉強は様式美だから。高校生の青春」
「そうなのか……」


友達のいない詩壇くんにはわからないかな？とからかうと、彼はフンと鼻を鳴らした。


「じゃあ今度のテスト前には、ここで俺がお前をしごきにしごきまくってやるからな」
「それは勘弁！！！！！！」


軽い冗談が十倍のカウンター攻撃に。
全く、怖い男だ。