君に、この石言葉を
Garnet & Sapphire
「乾杯!」

チン、と合わせたグラスが小さな音を立てる。グラスの中に入っている少し高めの赤ワインを、私とエレンは互いに微笑んで飲み干した。エレンとは恋人という関係。今日は付き合って三年目の記念日なの。

記念日は大切にしたいから、記念日の日はいいワインを飲んでちょっと豪華な料理を作る。そして二人でゆっくり話しながらこの時間を楽しむんだ。

「もう三年なのね……」

「うん。これからもよろしくね」

私が呟くとエレンに頬を包まれる。そしてキスをされた。エレンの唇にはワインの味が残っている。きっと、私の唇にもーーー。

「覚えてる?俺が告白したした時のこと。あの時のエマはすごく泣いていたよね」

「ええ。とても悲しかったから……」

エレンから告白されたのは、ずっと付き合っていた彼が浮気をして「別れよう」と言われた時だった。自分の知らないところで裏切られていたことが悲しすぎて、その頃は友達だったエレンを呼び出して泣いていたんだ。
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