君に、この石言葉を
私もそう言って笑う。そしてどちらからともなく手をつないで植物園の中に入った。

植物園の中には、四季関係なく様々な花を楽しむことができる。赤やピンク、黄色に白など鮮やかな色が目に映る。

「綺麗だね」

「うん。あの花の形、面白い!」

そんなことを二人で話しながら歩く。つないだ手の温もりがとても温かくて、ずっとつないでいたいほど愛しい。初めて手をつないだ時もずっと離したくないって思ったっけ……。

ひまわりやラベンダーを楽しんだ後、私と圭くんは様々な種類のバラが咲き誇るバラ園に足を踏み入れる。一歩入ればそこは、美しいバラの世界。一年中美しいバラが花を咲かせている。

「綺麗〜……」

初めてデートした時、緊張していた私たちはバラ園のベンチに座って少しずつ話した。話していくうちに緊張も解れて、残り時間を楽しむことができたんだ。

「バラの花ってすごくいいなって思って。ロマンチックな雰囲気だし」

「圭くん、それってどういうこと?」
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