君に、この石言葉を
そんなことを考える私の気持ちも知らず、レオン様は私に近づき、急に私に口付ける。何度も唇を重ねられて、私の吐息が漏れてしまった。

「い、いきなり何を……」

顔を真っ赤にして逃げようとする私だったけど、レオン様にあっさり腰に腕を回され、強く抱き締められる。これでは逃げられない。

「逃げる必要ないだろ?俺たちは恋人同士。キスもハグもして当たり前だ」

レオン様はそう言った後、私の耳にキスをする。びくりと私の体に不思議な感覚が流れた。

私とレオン様は、もう一年以上この関係を続けている。レオン様から急に告白されてこうして夜に二人きりで会うことが当たり前になってしまっていた。もちろん、こんな関係が許されるはずないのに……。

「ウェンディ、愛してる……」

何度も甘い言葉を囁かれ、キスをされる。彼のために彼から身を引こうと思っていた。でも、彼にすぐ囚われて溶かされてしまう。

「レオン様、誰かに知られては危険です」
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