君に、この石言葉を
いけない!また佐々木さんに怒られちゃう。早く仕事を進めないと。

私は試験薬をマウスに投与した。これで効果を見て成功したらワクチンの完成ということになる。私はドキドキしながら結果を待つことにした。

それから数日後、感染症研究センターは喜びの声に包まれていた。そして、今まで何も注目を浴びることがなかった私がみんなから口々に褒められていてくすぐったい。

ワクチンはうまく出来上がっていた。マウスの中にあったウイルスは死滅させることができ、ワクチンを投与されたマウスはその病気に感染していない。

「園原さん、すごい!」

「君が世界を救ったんだ!」

ワクチン開発の成功はニュースでも大きく取り上げられて、私はノーベル医学賞を取れるんじゃないかってみんなが噂してる。照れくさいなぁ。

「園原」

急に話しかけられ、私は「は、はい!!」と驚きながら振り返る。そこにはいつもとどこか様子の違う佐々木さんがいた。その手には何やら箱を持っている。
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