君に、この石言葉を
「ワクチン開発、うまくいってよかったな。おめでとう」

佐々木さんにそう言われ、箱を強引に渡される。何だろう?小さめの箱だ。

「これって……」

「俺からの祝いだ」

そっぽを向きながら佐々木さんは答える。しかし、耳たぶまで赤く染まっている。大丈夫かな?病気?

佐々木さんの態度に戸惑いつつ、私は箱の中身を見る。そして「綺麗……」と呟いた。

箱の中に入っていたのは、エメラルドのブローチだった。光が当たるとエメラルドが煌めいてとても綺麗。

「俺にとっても、世界にとっても、お前は……。今日祝いに飯でも連れていってやるから予定を空けておけ!」

佐々木さんはそう早口で言って去っていく。「素直になったらいいのに〜」とみんな言っているけど、どう言うことなんだろう?

でも、ブローチをもらったことは嬉しい。私はそっとブローチを手にして微笑んだ。






シトリン……友愛

エメラルド……希望
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