【短】キミの髪を、ほどきたかった。
「そんで、次は絶対……解くから」
「……上等」
制服は着られなくても。教室の扉が開けなくても。
ここはずっと、還る場所。
私たちはそこに、ほんの少しの熱を残して、卒業する。
「そういえば、来ないな……幸」
「来ないだろうね」
「……え?」
「"高松と2人にして"って頼んだの、俺だし」
「……!?」
そして始まる。
甘くて危険な香りをまとった、私の未来が。
―――Tales continue.