地味OLの憂鬱~私は仕事に生きたいのに、三人からのアプローチにタジタジです!!
優人は萌の前まで行くと頭に手を置きポンポンと軽くたたいた。
「佐藤くん大丈夫だったかい?北大路家の開いたパーティーで嫌な思いをさせてしまったね。すまなかった」
「……っ。だっ……大丈夫です」
顔を真っ赤にして俯く萌。
優人さん……佐藤さんには優しい顔をするのね。
私にはポンポンしてくれたことなんてないのに……。
玲奈は優しくポンポンと頭をなでる優人と、リンゴのように真っ赤になる可愛い萌を見ていることができず目を逸らした。
涼は玲奈が優人と萌をジッと見ていることに気がついた。仲の良さそうな二人を見つめ真っ青になり目を逸らしたことで、すべてを察した。
真っ青なり俯く玲奈の横に来た涼は、優人や萌に気づかれないよう、そっと玲奈の手をとり後ろで手をつないだ。
『大丈夫。隣にいるよ』っと言う気持ちを込めて。
玲奈はハッと涼を見上げた。
温かい手……。
玲奈も後ろで繋がれた手にギュッと力を込めて答えた。
『ありがとう』の気持ちを込めて。
玲奈は温かい気持ちになり、二人は微笑み見つめ合った。