地味OLの憂鬱~私は仕事に生きたいのに、三人からのアプローチにタジタジです!!
いつも私は自分の気持ちに蓋をしていた。優人さんを思うと辛いから。
苦しいから。
地味OLになり仕事に生きると決め、自分を偽ることで傷つく心を守ろうとしたんだ。
そうせざるを経なかったのはなぜ?
それは……
優人さんが好きだから……
私は何も変わっていない、昔も今もずっと優人さんのことが好きなんだ。
匠がフッと寂しそうに、優しく微笑んだ。
「気がつかれたようですね。玲奈様はその気持ちを優人さんに伝えましたか?私はずっとお二人を見てまいりました。きっと……。もし、優人さんが玲奈様を拒絶するようなら私の所に来て下さい。いつでもお待ちしています」
「加藤ありがとう。そうね私の気持ちを優人さんに話してみるわ」
にっこりと笑った玲奈は美しく匠は息を呑んだ。
ああこの人は最後まで私を誘惑する、天使のようで、悪魔の様だと匠は思った。
最後まで自分の腕の中に飛び込んで来ては、くれないのですね。
匠もまた心に蓋をした。最後に自分の気持ちを呟いて。
「やっぱり匠とは呼んで下さらないのですね……」
匠の呟きはいつも玲奈には届かなかった。