地味OLの憂鬱~私は仕事に生きたいのに、三人からのアプローチにタジタジです!!
発注ミス
*
金曜日、やっと仕事も終わり明日から休みだと肩の力を抜き、加藤の運転する車に揺られているとスマホが鳴った。
スマホの画面には山口涼と表示されていた。
山口くんから?
「はい。一条です」
電話に出ると慌てた様子の涼の声が聞こえてくる。
「一条さんすいません。今日納品するはずの雑貨が届いてないって……どうなっているか知ってますか?」
えっ……どういうこと?
「わかったわ。まだ近くにいるから、すぐに戻るわ」
急いで会社に戻ると涼が一人でオロオロと歩き回っていた。
「山口くん何処に納品する分がないの?」
「一条さん!!マルオーデパートなんですけど、知ってますか?」
「マルオーデパート!!昨日佐藤さんにお願いして、発註スミって言ってたけど……ちょっと待って……」
自分のパソコンを開き、納品の記録をチェックすると……。
そんな……発注した形跡がない……。
どういうこと……。
……やられた。
佐藤さんの返事を鵜呑みにした私のミスだ。
きちんと確認するべきだった。
今の時間は6時30分……マルオーデパートまで直接持って行った方が早いわね。
「山口くん運転はできる?」
「はい。大丈夫ですよ」
「それなら納品庫へ行って直接持って行きましょう」
「はい!!」
二人で納品庫へ行き、必要な雑貨を車に詰め込むとマルオーデパートへ急いだ。
マルオーデパートの担当さんに頭を下げ、今回は今日中に納品できたこともあり、お叱りを受けることも無く、事なきを得た。
良かったーー玲奈と涼は胸をなで下ろした。