片桐くんの愛は意外にも一途でした
2章 初めての放課後デート
翌日。
昨日はいろんなことがありすぎて、結局寝たのは朝方だった。
そのせいで目の下のクマはひどいし、寝癖もなかなか、なおらない。
三つ編みをしようにしても、眠気が襲ってきてまともに結ぶことができない。
洗面台の鏡の前で、ボーッとしながら髪を結んでいると、
「雨音、お迎えが来てるわよ」
「……へ?」
お母さんから声をかけられ、口に加えていた髪ゴムを落としてしまった。
こんな朝から迎えって誰?
神楽は、たしかに過保護だけど、わざわざ迎えに来るなんてことはしない。
一緒に登校するにしても、駅あたりで待ち合わせしたりする。
心当たりがない。……いや、もしかして、もしかするかもしれない。
「相変わらずお綺麗ですね、静香さん」
「やだわ、もうそんな歳でもないわよ。そういう昴くんも大きくなったわね」
「……」
玄関で声が聞こえると思ったら、やっぱり……。
私のお母さんを爽やかスマイルで口説いていたのは、昨日から恋人になった片桐昴だった。
まぁ、恋人っていっても仮(フリ)だし。でも、私の初恋の相手でもあるんだよね……。
昨日はいろんなことがありすぎて、結局寝たのは朝方だった。
そのせいで目の下のクマはひどいし、寝癖もなかなか、なおらない。
三つ編みをしようにしても、眠気が襲ってきてまともに結ぶことができない。
洗面台の鏡の前で、ボーッとしながら髪を結んでいると、
「雨音、お迎えが来てるわよ」
「……へ?」
お母さんから声をかけられ、口に加えていた髪ゴムを落としてしまった。
こんな朝から迎えって誰?
神楽は、たしかに過保護だけど、わざわざ迎えに来るなんてことはしない。
一緒に登校するにしても、駅あたりで待ち合わせしたりする。
心当たりがない。……いや、もしかして、もしかするかもしれない。
「相変わらずお綺麗ですね、静香さん」
「やだわ、もうそんな歳でもないわよ。そういう昴くんも大きくなったわね」
「……」
玄関で声が聞こえると思ったら、やっぱり……。
私のお母さんを爽やかスマイルで口説いていたのは、昨日から恋人になった片桐昴だった。
まぁ、恋人っていっても仮(フリ)だし。でも、私の初恋の相手でもあるんだよね……。