【完結】午前2時の殺人事件
「だって今殺されてるの、女だけだよ!?女が殺されるのなら、次はきっとあたし……」
平林繭香が、そう言って唇を噛み締めた。
「そんなの分からないだろう?」
「犯人は、きっとこの中の誰かよ!!女を殺すなら、男の人しかありえない!!女は力で男に勝つことはできない。だから、女には無理だと思う」
中原葵がそう言うと、みんなうつむいていた。
たしかに、力で男に勝つなんて、女には無理だからだ。
「……いや、女でも睡眠薬でも飲ませて眠らせておけば、簡単に殺すことはできる」
「っ!?」
それは、いかにも犯人が女でもだと、そう言っているような感覚になった。
たしかに言われれば、そうだ。
女でも睡眠薬を飲み物に混ぜて、飲ませておけば殺すことは可能だ。
……そんなことを考える方も、どうかしてるけど。
みんなは何も言わなくなり、沈黙が続いた。
言葉を発するのが、怖いのだ。