【完結】午前2時の殺人事件
第5章
「……なるほど。これでふたりが死んだとなると、もう死ぬやつはいないはず。外に出られるんじゃないのか?」
「ーーーいや、まだだ。野上早智子が犯人だということは、自殺ではなく、他殺だってことだ。自殺を装い殺したのなら、その証拠がどこかに残っているはずだ」
「だとしても、警察は隅々まで探してるはずたから、何も出て来ないんじゃ……」
「ーーーいいや、調べてない所があったぞ」
「えっ?どこですか?」
「ーーー隠し部屋だよ」
「隠し部屋!?そんなのどこに!?」
「ひとつだけあったんだよ。隠し部屋が。警察も知らない、隠し部屋がな」
「……どこにあるんですか?その部屋」
「一階の書庫の棚の後ろだよ。ずらしたら、扉があったんだよ」
「いつそれを?」
「さっきだよ。平林と一緒に探した時に見つけたんだ」
「部屋には何かあったんですか?」
「………ああ。色々と入っていた。恐らく、あの部屋に誰かいたんだろう」
「……マジかよ」