【完結】午前2時の殺人事件
「……くれぐれも相手にさとられないように、慎重にする必要がある」
「はい」
「……平林。巻き込んで、すまない」
「いえ。気にしないでください。ここに来た時点で、もうこうなっていましたから」
「ありがとう」
「えっ!?ちょ、蜂谷さん!?」
蜂谷隆平が、平林繭香を抱きしめる。
平林繭香も、それを受け入れるかのように、背中に腕を回した。
「はち……」
「……黙って」
「え……?」
蜂谷隆平が、平林繭香の唇にキスをした。
平林繭香も、最初は驚いたように、目を開けていた。
だけどそれを受け入れ、そのまま目をとじてキスをした。
キスしたのが何故か、蜂谷隆平にもわからなかった。
恐らく、無意識の行動だったんだと思う。
唇が離れた時、ごめんと一言だけ言った。
「……謝らないで、ください」
「こんなこと、するつもりじゃなかったんだけど……」
「……わたし、嬉しかったです」