【完結】午前2時の殺人事件
「……え?」
「……言おうかどうか、迷ったんですけど、やっぱり言いますね」
「……なんだ?」
蜂谷隆平は、平林繭香が何を伝えたいのか、なんとなくは分かっていた。
だから、少し戸惑っているんだ。
「……わたし、蜂谷さんのことが、好きです」
「…………」
「……ごめんなさい。迷惑、ですよね……」
「……いや」
「……まだ会って間もないのに、こんなこと言うなんて……おかしいですよね、わたし」
「そんなことない。……嬉しかった」
「……え?」
「たぶん俺も、平林のことずっと気になってたんだと思う。だからさっき、キスを……」
「蜂谷、さん……?」
「ーーー好きなんだと、思う。平林のこと」
「……え?」
平林は目を丸くして、俺のことを見ていた。
だから俺は、もう一度平林に、今度は少しだけ長く、キスをした。
「ん……蜂谷さん……」
平林を好きだと感じて、離れたくないと、そう思ってしまった。