【完結】午前2時の殺人事件





「………っ………」

「…………」





わたしたちは、なにも言えなくなった。

この事件の犯人は、大河内すみれだった。
  





この屋敷で起きた事件の結末は、大河内すみれによる、復讐のための殺人。

ーーーそして本人の自殺だった。





その翌日、大河内すみれの服のポケットから封筒に入った遺書が出てきて、その中にカギも入っていた。

それは、この家の玄関のカギだった。





「……大河内が、目の前で自殺を……」

「………はい。助けることが、できませんでした」

「仕方ない………この事件は終わったんだ。もう、ここから出よう」

「………はい」

「……しかし、面倒なことに巻き込まれたな」

「はい………悲惨な、事件でしたね」





大河内さんが犯人だなんて、まだ信じられなかった。

でも、彼女は後悔はないと言っていた。
  



ーーー彼女なりの、けじめの付け方だったんだと思った。

それでもやっぱり、殺してほしくなんてなかった。






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