ミライデザイン
棗に腰を支えられながら、その表情をみつめた私。
まるで照れ隠しのようにおでこが重なってきたから、全部はみえないけど、黒目がちな棗の瞳に映る私はゆらゆらと熱っぽくゆれていて。
その熱が私のものなのか、棗のものなのか、もう分からない。
「…私だって」
ふっと笑う棗の熱い息を唇に感じた時には、私達の距離は0mm。
まるで、言葉の余韻ごと食べるようにやってきた棗の唇を、待ちわびたように受け止める。
さいこうのしあわせ。
…会社の同期として出会った時には、こんなミライがあることを想像もしてなかったけど。
仕事の打ち合わせが相談になって、プライベートになって。理由もなく会うようになって、付き合って3年半。
今では、棗に愛されないミライが想像できない。
それは、結婚以上にしあわせなミライだと思う。
そしていつだって願う。
この時間が、永遠であってと。