ミライデザイン




「…………たしかに」


365日24時間、いろんな波がある中で、一緒に生活をしていくことに対しての不安は、大きい。

同棲に対する不安を解消できなかったら、ずっと私は、このまま。

棗にも、見放される日は近いかもしれない。




……そこまで分かっても、今すぐにと腰は動かないけど。



「もう少しだけ、考えてみる」


「ん。棗くんとなら、きっと大丈夫だから。

…沙祈の本当に守りたいもの、見失わないでね?」



私はたぶん、変わらなきゃいけない。

1番大切なものを、守るために。



葉奈の言葉で、目を閉じなくても浮かぶ、棗との日々。これから先もずっと、繋ぎ描いていきたいミライ。


それらは、同棲、婚約、結婚をしない方が、こわれることも、消えることもなく、永遠にしあわせの中で生き続けられるんだと思ってたけど。



……違う予感が、しはじめてる。





失くさないように頷いて、失くさないように、心にしまった。

覗き込んできた葉奈に、もう大丈夫だと笑顔をつくると、やってきた影がひとつ。



「…沙祈くん?」



< 40 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop