ミライデザイン
「…………たしかに」
365日24時間、いろんな波がある中で、一緒に生活をしていくことに対しての不安は、大きい。
同棲に対する不安を解消できなかったら、ずっと私は、このまま。
棗にも、見放される日は近いかもしれない。
……そこまで分かっても、今すぐにと腰は動かないけど。
「もう少しだけ、考えてみる」
「ん。棗くんとなら、きっと大丈夫だから。
…沙祈の本当に守りたいもの、見失わないでね?」
私はたぶん、変わらなきゃいけない。
1番大切なものを、守るために。
葉奈の言葉で、目を閉じなくても浮かぶ、棗との日々。これから先もずっと、繋ぎ描いていきたいミライ。
それらは、同棲、婚約、結婚をしない方が、こわれることも、消えることもなく、永遠にしあわせの中で生き続けられるんだと思ってたけど。
……違う予感が、しはじめてる。
失くさないように頷いて、失くさないように、心にしまった。
覗き込んできた葉奈に、もう大丈夫だと笑顔をつくると、やってきた影がひとつ。
「…沙祈くん?」