ミライデザイン




難攻不落に思えたスケジュール調整も、本人が自負していた通り、北斗さんの手にかかれば難なくクリアできたみたい。


日程や集合場所の連絡がきたのは、北斗さんと葉奈と話してから、1週間も経たないうちのこと。



棗は七星さんから簡単に聞いたらしく、「俺がしたいのに、なんか悔しいな」と少しだけ不貞腐れながら、それでも「ま、やっと2人でゆっくりできるし、なんでもいいか」と。


横並びに座るソファーで私の手を取り、猫目をうれしそうに細める棗に、胸の奥がきゅんっとなったのだった。




待ち遠しい。

はやく、棗とデートする日になってほしい。



あとまだ何日あると、カレンダーを指折り数えながら、待ち焦がれたデート当日。




「……えっ?」



動かせない案件があるからと、一仕事しにいった棗と、お昼過ぎに待ち合わせをしていた時計台の前には、棗じゃない、よく知る顔が4つ。



「なんで、みなさんがここに?」


一通り存在を再確認したあと、首謀者と思われる人の方を向くと、ばっちりと目が合う。




「沙祈ちゃんも勘づいてるよね?」



答えを聞く前から、目論みが透けてみえるような笑顔に、してやられたことを確信した。



でも、違う。

違うんだよ、北斗さん。



「私は、棗と2人でデートしたかったのに」





< 57 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop