ミライデザイン
難攻不落に思えたスケジュール調整も、本人が自負していた通り、北斗さんの手にかかれば難なくクリアできたみたい。
日程や集合場所の連絡がきたのは、北斗さんと葉奈と話してから、1週間も経たないうちのこと。
棗は七星さんから簡単に聞いたらしく、「俺がしたいのに、なんか悔しいな」と少しだけ不貞腐れながら、それでも「ま、やっと2人でゆっくりできるし、なんでもいいか」と。
横並びに座るソファーで私の手を取り、猫目をうれしそうに細める棗に、胸の奥がきゅんっとなったのだった。
待ち遠しい。
はやく、棗とデートする日になってほしい。
あとまだ何日あると、カレンダーを指折り数えながら、待ち焦がれたデート当日。
「……えっ?」
動かせない案件があるからと、一仕事しにいった棗と、お昼過ぎに待ち合わせをしていた時計台の前には、棗じゃない、よく知る顔が4つ。
「なんで、みなさんがここに?」
一通り存在を再確認したあと、首謀者と思われる人の方を向くと、ばっちりと目が合う。
「沙祈ちゃんも勘づいてるよね?」
答えを聞く前から、目論みが透けてみえるような笑顔に、してやられたことを確信した。
でも、違う。
違うんだよ、北斗さん。
「私は、棗と2人でデートしたかったのに」