ミライデザイン
「完全に俺らのこと忘れてるでしょ」
「あまい時間、みせつけたいの?」
「……あ、」
扉が開いた先から、北斗さんや葉奈に続いて、一樹さん、七星さんに橘社長が入ってくる。
状況を理解して、咄嗟に棗から離れようとすると、それを許さない棗の手が、簡単に私の手を捕まえる。
……みんなにぜんぶ聞かれて、覗かれてたのかもと思うと、恥ずかしいのに。
棗に、ダメ、と目線で訴えかけられてたら、大人しくベッドに留まるしかなくて。照れくささに、少しだけ戸惑う。
「なに?七星が呼んだ感じ?
そんな大したケガじゃねーのに」
葉奈や一樹さんは、プライベートでも関わりがあるからまだいいとして。
仕事のない休日に、北斗さんや、橘社長まで、病院に駆けつけてくれたことを知って、申し訳ないと思っているみたい。
棗は少し、バツが悪そうな顔。
「私は沙祈さんに連絡しただけだけど、、必然的にね?」
「あ?必然的?」
なんとなく、棗と七星さんの会話に違和感があって、首を傾げる。
七星さんから電話がかかってきたときには、みんな一緒にいたから、休日の日中でも、全員が駆けつけることは当たり前。
七星さんが言った、当たり前という言葉も、間違ってはいないのに。
……どうして、棗は引っかかってるんだろう?
もしかして。