ミライデザイン
「沙祈さんさすがですね。
今ので、察しちゃいました?」
「つい数時間前に沙祈ちゃんも、なつめんと同じ感じになってたもんね?」
「待て北斗。まじでなつめん呼びやめろ」
もしかして、と思っていたことが、北斗さんの言葉で結びつく。
七星さんの問いかけには、とりあえず頷きを返したけれど……。
謎のなつめん呼びに、ベッドの上から北斗さんに睨みを効かせる棗の傍で、どうして彼女達が、あえてそうしたのか、分からない私。
「え、もしかして、棗くんも今日のデートのこと聞かされてなかったの?」
「……しかもたぶん、あえて、ですよね?」
素直に思ったことを口にしてくれる葉奈に乗っかって、私も浮かんだ疑問を声に出した。
「意味わかんねー。
なに企んでんだよ、お前ら」
本当に、意味がわからない。
どうして、私にも棗にも、大事なことを言ってくれなかったんだろう?
棗がいう、企んでる、が事実だとしたら、なにを?
なんのために?
あえて言わずにいることの目的がわからないし、必要性も感じない。
言わずにいたって、ただ時間差が生じるだけで、いずれ分かることなんだから。
……ということはもっと、別のこと。
付随するなにか、だとは思うんだけど。