ミライデザイン
考えていくと、どうしても候補に上がってしまう、略奪愛、という可能性。
七瀬さんがそんなことするような人だとは思えないけど、これまでの棗との距離感や、親密さをみて、疑念が浮かんだのも事実。
あえて大切なことを伝えずに、私達が拗れるのを企んでた…?
なんて。
些細な不自然が、簡単に不安へと変わっていく。
「頃合い、なんじゃないかな。
ハプニングはあったにせよ、ミッションはクリアした訳だしね」
視界が曇っていくなかで、橘社長が七星さんの肩に手を置いて、にっこりと微笑む。
私が抱いた不安なんて、大したことないとでも言うような表情で。
それを受けて、七星さんと北斗さんの口角もキレイに上がった。
「…ミッション?」
意味を理解できずに頭を捻ったのは、双子と橘社長以外。
つまり、私と棗に加えて、葉奈と一樹さんも全貌を知らないみたいだった。
「さて、何から話そうか?」
「まずは2人の関係から、カミングアウトした方がいいんじゃない?」
橘社長の投げかけに、嬉しそうにたのしそうに、橘社長と七星さんの肩を抱く北斗さん。
「え、?」
肩を抱きながら、2人の距離を縮めたようにみえたのは、……見間違いでは、ないはず。