ミライデザイン
「わざわざ、寄せなくたっていいのに」
「俺は結構前から普通に七星に触りたかったけどね?」
「それは社長として、普通にNGです」
好きな女子をからかう中2男子みたいな顔をして、七星さんの腰に手をまわす橘社長に、文句を言いながらも、ホントウのキモチが顔にでちゃってる七星さん。
少しずつベールを脱いで、あまさが漂っていく会話や態度に、頭の中でピースがハマっていく。
「まぁまぁ、ほら。みんなを置いていかないで?」
自分で2人を近づけたくせに、遠慮なく、そういう雰囲気を出す姿をみせられて、苦笑いになっている北斗さん。
その表情に、私の中で出来上がっていく予想が、間違いないことを確信する。
「あぁ。ごめんごめん。つい、七星がかわいくてね?どうする?七星がいう?」
「解禁OKもらった途端、すぐそういうこという。
大事なことは、ビシッと社長からお願いします」
七星さんにそんな風にいわれて、加減なく目尻を下げる橘社長は、威厳なんてなく、ただ、男の顔をしている。
「もう大体察してると思うけど。俺たち、付き合ってるんだ」
それは、私に、棗がダメだったらいつでも自分のところにおいでと言った、あの、橘社長ではなかった。