ミライデザイン





決して、言葉でくれたわけではなかったけど。


棗がブレずに迷わずに、ミライへ希望を持ち続けられる理由を追いかけてたら、たどり着いた。



棗の瞳には、いつだって、揺るがないミライが写っていて。みえていた。



それは、何もせずともみえていた、自然現象なんかじゃなくて、棗が具体的にイメージし、カタチにし続ける努力をしていたからだと思う。



例えば今日くれた、このドレスデザインのように。





一例として、棗がデザインしてくれたドレスが表示されたディスプレイを指差して伝えると、棗は「バレたか」なんて、小さくこぼして、口角をあげる。





「ミライがみえなくてこわいなら、みえるようにするだけ、ってな」



「だから、式のセルフプロデュースだって一緒でしょ?不安がなくなるまで、イメージをすり合わせて積み重ねていけばいいと思うの。


そう考えたら、こわくないよ」






なにひとつだって、怖くない。


私に無敵なヒケツをくれたヒトと、一緒にミライを進んでいけるのだから。



ムテキ以上に、無敵。





例えば世界が的にまわっても、棗さえ傍にいてくれれば、乗り越えていけると確信できる。



そんな風に想える、棗という存在に出会えた私は、最高峰に、しあわせで。



これからは、返していく番だとも、思うの。




< 90 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop