青空が君を笑顔にするまで
友達と懐かしい話をしながら私は牛タンを焼いていた。


牛タンの端に少し火が付いて煙が上がり始めた。


小さな火災発生。


私はあたふたと一人焦っていた。


すると突然、私のすぐ背後から声がした。


「あっ!お前、牛タン、焼き過ぎ……」


聞き覚えがあるような声だった。


「はっ、……ごめん!」


私はさっき声がした方を振り返った。


──見つけた、……仁。


そこには26才の原田 仁が私のそばに立っていた。


カジュアルなベージュのコートに黒いズボン、そして黒い靴。


黒いリュックを肩に軽くかけてモデルのように立っていた。


「ごめん。もっと、早く来ようと思ったけれど。仕事で遅れた……」


私が仁に最後に会ったのは高校1年生の時だった。


その時から私の記憶は止まったまま。


あれから長い年月が流れ。


また、こんなふうに仁に会えるなんて思っていなかった。

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