青空が君を笑顔にするまで
仁は私がどうして離婚をしたのか不思議なぐらい全然聞いてこない。
それどころか仁はさっきから肉を焼いては私のお皿の上に焼き上がった肉を山積みにしていく。
「ほらっ、ぼっーとしてないで、お前しっかり食べろよ」
仁が優しい笑顔で私を見る。
仁、来たばかりで自分はあまりお肉を食べていないのに。
仁の優しいところ全然変わってない。
「綺麗になったな──」
「誰が?」
「お前だよ」
「何、昔は私ブスだったってこと……?」
「昔は可愛かった」
仁がお肉焼きながら私の顔を見て優しく微笑んだ。
私は今初めて仁の口から聞いたんだけど。
“可愛かった”って。
仁、いつからそう思ってくれていたの?
仁は褒めてくれているのに、私は相変わらず、仁に突っかかる癖が抜けてないな。