青空が君を笑顔にするまで
•第一章
あれは中学2年生の6月の初め頃だった。
ちょうど下校時で、時々ゴロゴロと雷が鳴り、そして突然に滝のような大雨が降り始めた時のこと。
私の視界からは次々に多彩な色の傘の花が咲いていくのが見えた。
こんな日に傘を忘れた大バカ者は私ぐらいだろうと思っていた。
下駄箱の辺りから私は一人ポツンと灰色の空を眺めながら早く雨が上がらないかなと願っていた。
しばらくしてもなかなか止まない激しい雨。
そして、それは私が鞄で頭を覆い猛ダッシュで走り出そうとした瞬間の時のことだった。