青空が君を笑顔にするまで
・第十章
年が明け、高校受験の季節がやってきた。
仁は進学校でトップの公立高校へ。
私は共学の私学の高校へ。
希美ちゃんも水嶋も石月も……皆自分の志望校へそれぞれ道が決まった。
それから間もなく、卒業式を迎える日がついにきてしまった。
今年は桜の花が咲くにはまだ空気が冷た過ぎて。
枝に桜の蕾さえも姿を見せていなかった。
厳粛な雰囲気の中で卒業式が行われた。
卒業式が終わった後、皆別れを惜しんでなかなか帰ろうとはしなかった。
皆、あちこちでラインの交換をし合っている。
私も何人かにラインを聞かれて交換をした。
初めて水嶋と石月とラインの交換をした。
最後に仁と一緒に写真を取りたくて。
希美ちゃんと一緒にあっちこっち仁を探したけれど見つからず。
人が多くて仁がどこにいるのかわからないままその日私は家に帰った。