Tears
この想いが届きますように

日野恭平『』×姫里愛莉「」


「いい加減にしてよ!!」
『…ごめん、』

病室には相応しくない声を出してしまい、その場にいるのが苦しくなった私は急いで部屋を出た。
3個上の幼なじみで、無茶ばっかりしていた恭平が入院した。
理由は聞かされていない。でも、彼は直ぐに治ると言っていた。

________1か月前、

「もう!大学生になってお酒飲んだりしてるからでしょ?」
『あー、もうそれくらい分別つく大人になっちまったか〜愛莉も、』
「すぐそうやって子供扱いするんだから!」

入院したことをおばさんに聞いて、高校の帰り道に塾にも寄らずに走ってきた。
高校三年生の夏は、受験だと煽られるばかりの毎日で飽き飽きしていた頃だった。

『高校生なんてまだガキだろ』
「うるさい!恭平の大学よりいい大学行くんだから!」
『とか言ってー、滑り止めで俺の大学もちゃんと受けるんだよなぁ愛莉ちゃん?』
「もう!」
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