君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
4歳から一緒なのか…


じゃなくて。




「あんたが王子を被っているのは大好きな彼女が虐められて、それで誰も傷つけたくなくないからで。あんたが連れ込んでた女の子はその彼女を虐めてた子だって…言ってた。」


「まぁ、合ってる。俺が抱けば、満足するみたいだったし。復讐ってつもりはなっかったけど、遊び捨ててやろうって…最低だな、俺。」


「…それはあんたの問題だから私には分かんないけど。仕方なかったんじゃない?」


「……。」


「あと、私を選んだのは私が男女ですごい凶暴な女だって噂が多かったからだって。」



言うと、中野 神弥は肩に顎を乗せ、フッと息を吐く。




「それは違ぇ。」


「え?」


「俺が花菜を選んだのは…1年前のオープンキャンパスで見かけて、花菜の笑顔が可愛くてさ。何か気になってて。で、入学式の日に桜並木を歩く花菜を見つけて…好きだって思ったからだ。」




…ちょっと八神 架琉!適当なこと言ってんじゃないよ!




「男女って言われてたのはそのあとで知った。けど、それでも花菜が好きだと思ったから祖父さんに花菜を呼んでもらったんだ。」


「…そっか。」
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