君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「あ…の…?」


「お願いしてもいいですか?」


「え?」



目の前のカグヤさんはニッコリと微笑む。


が、ドアに背を預け、両側にカグヤさんの腕。


逃げ場がない私…


この状況、怖すぎます。



「僕…念願の一人暮らしなんです…。だから、一緒に暮らすのは断ってくれませんか?」



依然として笑みを壊さず。



「や、でも、荷物とかここに運ばれてるはずだし、寮も追い出されて住むところがないんで…」



住まわせてくれないかなー、なんて。


ニコリと慣れない笑顔を浮かべてみる。



「―――ざけんな。」



え?


ボソッと何かを呟いた彼に、私は腕を引かれる。


と――…



「ん…っ!?」



何故か唇を塞がれる。


何で!?


何で私は…


彼にキスをされてるの…?
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