君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
映ちゃんは4枚の紙切れをチラつかせ、




「こ・れ・は、W王子の片割れである八神 架琉がボーカルを務めるバンド「R」のチケットでね?あまりにも人気過ぎて、ファンクラブに入ってても手に入れにくいの。」


「…じゃあ、手に入れられたのがすごいってこと?」


「凄いどころじゃないよ?奇跡だよ!!」




奇跡…




「きっと行けば、花菜っぺも「R」の凄さが分かると思う。だから、ハイ!誰か誘って来てみて!」





そう言って映ちゃんは私の手に2枚紙切れを握らせた。





「明後日が楽しみだね!!じゃあ、またね!」


「ちょ、ちょっと!」




映ちゃんは私の声が聞こえなかったようで、風のように去っていった。




「これ…どうしろっていうの…。」
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