君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
――「は?明後日出かける?」


「うん。綾香とライブに行くの。」





ソファーに座ってテレビを見ていた中野 神弥に告げる。






「ライブ?…「R」のか?」


「え?知ってるの?」


「知ってるも何も、架琉からチケット、貰ってっし。」





あ、確か中野 神弥と八神 架琉は幼馴染みだもんね。


貰ってても当然か。





「じゃあ、あんたも来るの?ライブ。」


「いや、行かねぇ。行きたくねぇ。」


「何で?」


「何でも。」





ちょっと不貞腐れてる中野 神弥。





「何怒ってるの?中野 神弥。」


「別に怒ってねーよ。つーかさあ、花菜。」


「な、何?」





何故か中野 神弥に腕を掴まれていて。





「いい加減、名前で呼べよ。」


「は?」


「何か距離置かれてるみたいで寂しいんだよ。だから…呼んで?」





…ちょっと!


そのシュンとした顔、ヤバいから!
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