君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「な…っ」






つまり…名前を呼ばない限り、中野 神弥の膝の上ってこと?!



無理!



無理だから!







「な、何でそんなに名前で呼んで欲しいのよ。」







問いながら中野 神弥の方へと顔を向ける。



と、顔を逸らす中野 神弥。








「…好きな女にフルネームで呼ばれてんのが気に入らねーんだよ。やっぱ、名前で呼んでもらいてーな、なんて。」








ちょっと。



ちょっとちょっとちょっとぉぉぉ!!!



中野 神弥が照れてる。



中野 神弥が照れてますよ、皆さん。



…ヤバい。



何か可愛い。







「1日一回だけでもいいから、呼んで?」



「…一回でいいの?」



「そりゃ、ずっと呼んでほしいけど、さ。花菜が、恥ずかしいっつーから…。」







…何か素直で生意気じゃない中野 神弥は気持ち悪







「花菜。声に出てる。」


「え?」


「え?じゃねーし。…んなこと言うならずっと放さねーからな。」
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