君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

――ムニッ。











「!?」


「へぇ、結構でかいな。」


「こいつ…っ!」



私の胸を揉んだ彼に平手をくらわそうと手を掲げる。



「おっと。」


「放せよ…っ」


「放さねーよ。二度も同じのをくらうほど間抜けじゃねぇんだよ、俺は。」



腕を掴まれている私は動けなくなる。



「…俺は中野 神弥(ナカノ カグヤ)。あんたは?」



(な、何でこいつ嬉しそうに笑ってんの…?)



「…山崎 花菜。」


「ふぅーん。つかあんたさ、キレると口調が汚くなんのな。」



…あ。


お母さんに気を付けろって言われてたのに…



「ちょうど世話係が欲しかったんだ。特別にあんたにやらせてやるよ。」


「はぁ!?何で…」


「…住むとこねぇんだろ?」


「~~~っ!」
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