君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
―――「別れようって言われた訳じゃないけど、拓海を見るたびに辛くってさ。……私が避けて。それからは関わりなく3年が経ってたんだけど…」


「3年後の今日、会っちまった訳な。」


「うん…」



私の話を聞き終えた神弥はジッと私を見つめる。


と。



「な、何?きゃ…っ」



いきなり後頭部を掴まれたかと思うと、次の瞬間には私の頭は神弥の胸に埋められていた。



「ちょ、ちょっと…」


「……花菜。泣いてねーんだろ?」


「え?」


「…辛いなら、泣いてもいいよ。花菜は強いけど…俺には弱いとこも見せて。」


そう言って私の体を引き寄せ、抱き締める。


年下のクセに。


生意気なクセに。


淋しがり屋なクセに…



「ふ…っ、ぅえ…っ」



急に大人びたことすんなよ、ばかやろー…

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