君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「あー…けど人違いかもしれないかもなぁーなんて。」


さっきの表情でバレるかもな〜と思いながらもちょっと誤魔化して伝える。

と。


「つまり、桜くんに似た人を見つけたんだね!」



…あー、うん。


そうそう。


綾香が何でも前向きにとらえてくれる娘で良かった…



「早く桜くんに出会えるといいねぇ!」



綾香はまたしても椅子の上でピョンピョン跳ねる。



ほーんと綾香は可愛いなぁ…



「あ、花菜ちゃん!」


「何?」


「中野くんだよ!」



中野くん…


って、中野 神弥!?


綾香の言葉に綾香の指差す方向へ顔を向けると、黒髪に金メッシュをいれた男の子と共に食堂に入ってくる中野 神弥がいた。



「きゃー!中野くーん!」



なーんて、周りの女の子たちが目をハートにして叫んでる。


そんな女の子たちに中野 神弥は…



「あははっ。みんな、今日も元気だね。」



…………誰よ、アレ。
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