君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「《おい。あ、やか。》」


「!」


「《綾香。…女を下の名前で呼んだのお前が初めてなんだからな。》」



言うと、ふるふると震える。



「《俺が信じてみようと思った女もお前が初めてなんだからな?…覚悟しろよ?》」


「…っうん!架琉くんとは友達以上になったってことだよねっ!」


「《そ。》」



ちょっと馬鹿っぽくて、真っ直ぐで。


何考えてるか分かんねーし、野獣っぽいけど。


コイツと歩むジンセーも悪くねぇな。



「《んじゃ、既成事実でも作るか?》」


「ふぇ?!」



真っ赤になるちびっこを押し倒す―――…



――バアァアァンッ!!



「ダメェっっ!!」



凄まじい音をたて、凄まじいくらいの声を上げて部屋に入ってきたのは…



「ママ?!」

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