君は無垢なフリをして───本当は野獣。
「綾香…あの男の子、知ってるの?」
「あ、うん!高良 天人くんとは講義がたくさん一緒でね!高校卒業と同時に留学してて、交換留学?とかいうのでこっちに来てるんだって!」
「留学生…」
ということはもしかして、拓海も留学していたの…?
でもお前もここに進学してたとはなって…
あぁ、もう!
分かんない!
「何なのよ…」
3年前に私に酷い言葉を投げつけたくせに。
どうして今更、あんな普通の顔して私に声をかけられるの?
"あいつ、花菜と別れたつもりねーみてぇ。"
神弥が言っていた言葉も気になる。
「花菜ちゃん…?」
よほど凄い顔をしていたのか、綾香が心配そうに覗き込む。
私は綾香に笑いかけると、ご飯を口に運んだ。