君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「あぁ?アイツも大学が一緒だったぁ?」


「うん…」



食後の休憩と称してソファーで寛いでいた神弥が、怪訝な顔をする。



「だからあんな強気発言が出来た訳な。」



ゆっくりと立ち上がると、私に近づいてくる。



「なぁ、花菜。」


「何?」



私を抱き締めると、耳元に口を寄せる。



「あいつにヨリを戻そうって言われたら、どうする?」



神弥の声が鼓膜に響いて、ビクッと体が震える。



「…そんなのどうもしないわよ。私の中ではもう、拓海とは終わってるし。か、神弥がいるし…」



言葉の途中で恥ずかしくなって、つい俯く。


と。



「花菜、可愛すぎんだけど。食っちゃいたい。」
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