君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
――「ねぇ、神弥?私に…神弥のモノって印をつけてください。」



ゆっくりと起き上がると、寝間着のボタンに手をかける。



「花菜!?」



バッと起き上がると、私の両手を掴む。



「確か…初めてが痛かったせいでもう二度としたくねぇって、好きだからヤるのは猿と同じだって言ってなかったか?」



ジッと見据える。



「…言ったよ?でも、神弥なら大丈夫だって思ったんだもの。神弥とは…好きだから、シたいの。」


「っ、後悔しても知らねーぞ?」


「後悔、なんてしないよ。」


見上げれば、泣きそうな顔。


神弥は大人びてるのか、子供っぽいのか…本当に分からないね。



「か、な…っ」



性急なキスをされたと同時に、ベッドに押し倒される。


性急なキスは緩やかになって、やがて深くなっていく。



「ん…っふ…」



両想いのキスは、こんなに幸せだったんだね。


やっぱり…


神弥となら…大丈夫な気がする。
< 206 / 385 >

この作品をシェア

pagetop