君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
神弥の指が触れる所々が熱くなって。


鼻にかかったような甘ったるい声が漏れる。


…おかしいよ。


私…拓海との時はこんな風にならなかった。



「花菜。」


「ん…」



神弥の声が耳元で聞こえる。


それだけなのに、私の体は過敏に反応してビクンと跳ねる。



「かぐ、や。」



見上げれば、神弥が辛そうに綺麗な顔を歪めていて。

ついその頬に手を伸ばせば、ギュッと掴まれる。



「ハァ…ッ」



短く息を吐いて、ゆっくりと瞼を閉じる。



「俺は…花菜を気持ちよくしたい。」



そう言って目を開けた神弥。


その真剣な瞳に射ぬかれた私は…神弥の瞳の色が綺麗な亜麻色であったことを知る。
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