君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「おりょ?中野くんがこっち見てるよ、花菜ちゃん。」


「むっ?」



オムライスを口に運んでいた私の肩を叩く綾香。


見ると、ばっちりと中野 神弥と目があった。



『何でアンタがここにいんだよ。』



と、目で語られてる気がする。



「神弥くーん、架琉(かける)くーん。こっち、こっちー。」



女の子に呼ばれた中野 神弥は、もう1人の男の子と一緒に女の子の方へと歩いていった。



「あの金髪メッシュの男の人、架琉って言うんだね。」



私がオムライスに視線を戻すと同時に綾香は言う。


綾香の方を見ると、中野 神弥たちのいる方向を見ていた。



「綾香?」



綾香が反応しない。


何でだろう。


珍しい…



「あの金髪メッシュの男の人、女ったらしで有名なんだよ。」



いきなり何を言うか、この(むすめ)は。
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